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その日は朝から落ち着かない気分で午前中を過ごした。


「よお。」
 

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プロ無職の大川竜弥氏(32)と待ち合わせていた。

この大川氏の紹介で、前からその活躍を拝見していたブログ「暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ」を運営している暇な女子大生とランチをご一緒することになっていたのだ。

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僕はいくらかの手数料を彼に支払い、憧れのブロガーと夢の対面を果たそうとしていた。インターネット世界におけるキーパーソンにコンタクトをとるため、僕が彼につぎ込んできた現金はすでに相当なものになっている。無職とは言っているが、実態はこういうことだ。

暇な女子大生がどんな人物か、ずっと前から妄想していた。あのやたら手間のかかっていそうなブログを書き続けるくらいだから本当に暇な女子大生なのか、いや実際は超リア充な女子大生なのか。リア充だったらどうしよう、怖い。それならいっそオッサンの方が気が楽だわ……。とガクブルしながら当日を迎えてしまった。


暇だからイケダハヤト氏にブログのダメ出しをされてきた - 暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ

例えばこの記事では、イケダハヤト氏にブログをダメ出しされに会いに行っておきながら、イケダハヤト氏のキャラを完全に食ってしまっている。この人はタダモノじゃないと思っていた。

あwwwwイケダさんだwwww

一番乗りで来てるwwゲストなのに・・・

これを見て、「絶対に一番乗りしてはいけない!」と思った。これはかっこ悪い。だから僕はわざと5分遅れた。集合場所に最も近い場所にいたのに。

逃げるならいまだと思いつつ、気づいたら抑えきれない好奇心が僕を待ち合わせの場所に運んでいた。大川氏と軽く挨拶を交わしていると、その後ろからヤツは現れた。


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あれ……。どうしよう、かわいいんだけど。


普通にかわいいので目を見て話せない。

どうしよう、おれ緊張している。

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緊張している僕に、彼女は開口一番、こう訪ねてきた。

「ねえ、narumiはイケダハヤトさんのこと、嫌いなの?」

「え、大好きだよ。なんで?」

「だってlivedoor Blogの『ITカテゴリ』っていうクソ狭い世界で争っているように見えたから……」

「ああ、あれは『プロレス』って言ってね。暗黙の了解という厳密なルールのもと、安全な距離感を保ちつつ殴りあうスポーツなんだ。だから実際は仲よくも悪くもないし、少なくとも僕は彼が大好きだ」

「ふーん、馬鹿みたい。じゃあはあちゅうは?」

「はあちゅう!? だ、大好きだよ」

「そうなんだ、つまんない。ねえ私、タンパク質が食べたいんだけど。肉的なものをがっつり食べたい」


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実際のところ僕は夜にとある会合で中華を食べる予定だったから、昼は軽めにサラダ的なもので済ませたかった。もちろん目をつけていたのはヒカリエ11階の「シアターテーブル」である。ここのサラダバーはかなり美味い。

でも、長らく言葉を交わしていない一回り離れた妹(女子大生)と、目の前の暇な女子大生が重なって見えた。「あたし、タンパク質を摂取したい」と思いっ切り主張している。これまで兄らしいことを一つもしてこなかった罪悪感が急に心のなかで膨らみ、僕はそれを受け入れた。めっきり疲れやすくなってきた胃袋を説得し、一転して超ガッツリの東京トンテキに案内した。

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ああ、これはやばい。すごいタンパク質。でも美味い。ご飯は少なめにしてもらった。のんきな大川氏は普通の量(それでもかなり大盛)にしていた。「おい、糖質の摂り過ぎには気をつけろ。お茶碗大盛一杯のご飯は角砂糖に換算すると10個くらいに相当するぞ( ♯motenai )」と心のなかでツッコんでおいた。

暇な女子大生とはいろいろな話をした。やはりはてなでブログをやるだけあって、独特である。なにが独特かというと説明するのは難しいけれどタダモノではない雰囲気がぷんぷんした。


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おなかがすいたら、またおいで。

参考記事:
暇だから会社員ブロガーnarumiさん(と、プロ無職大川氏)とご飯を食べてきた - 暇な女子大生が馬鹿なことをやってみるブログ