まばたきをして涙をこらえ、全身に鳥肌が立つような体験はそうそうあるものではありません。だけど『ジャージー・ボーイズ』のミュージカルは素晴らしいの一言だった。
ビートルズよりもちょっと前の世代、伝説的なバンド「フォー・シーズンズ」の誕生と破滅を描いた青春劇。去年クリント・イーストウッドが映画化して大人気になった作品ですが、元祖はミュージカルです。
ブロードウェイでもロングランを記録して数々の賞を受賞。そしてついに日本にやってきたわけです。劇中では往年のヒット曲が多数演奏され、リアルタイムで知らない世代は「えー!あの曲もフォー・シーズンズなの?」ときっと驚く。
そもそも映画ですでに号泣してしまってたので、生歌が聴ける本物のミュージカルは相当やばいだろうと思っていましたが、想像以上でした。
特にクライマックスの「Can't Take My Eyes Off You(君の瞳に恋してる)」はものすごい迫力。役者さんはフォー・シーズンズのボーカルであるFrankie Valliを完全再現と言っても全然問題ない力量。映画版もかなり良かったけど、ミュージカルで目の前で歌われるとまた全然違う。皮膚にビリビリくる。
これは映画版、最高にかっこいいよ。
こんなのが十数メートル前で演奏されると、本当にやばい。もうイントロの時点でお客さんの期待は高まってキタ━(゚∀゚)━!って超盛り上がるし、それを何倍も上回るボーカルに圧倒される。いやぁ生で観てよかったと思った。やっぱりこの作品はミュージカルでないと。
曲がいいし、歌も上手いから映画で好きになった人も、映画観てない人も楽しめる。たとえばフォー・シーズンズといえば、この「シェリー」なんかが有名。映画で観て初めて、「この人たちの曲だったのかー」と驚いた。
「君の瞳に恋してる」も「シェリー」もフォー・シーズンズのメンバーであるボブ・ゴーディオという一番若いメンバーが作ったのです。この人はあのポール・マッカトニーにも劣らないくらいのソングライターなんじゃないかと思う(偶然にも同い年だ)。
なにしろ15歳で作った曲がこの名曲「Short Shorts」ですよ。
そう、タモリ倶楽部でおなじみのやつ。あのお尻振ってるところで流れてる音楽ってフォー・シーズンズの天才ソングライターが15歳のときに書いた曲なんですよ。16歳で「I Saw Her Standing There」を作ったポール・マッカトニーにまったく負けてない、っていうかデビュー時点では勝ってる。もちろんミュージカルでは「Short Shorts」も演奏されました。
ジャージー・ボーイズの公演は7月5日までという短い期間なのでぜひ時間を見つけて遊びにいくといいと思います。場所は渋谷ヒカリエのシアターオーブ。この機会に行かないともう観れないんで、予定合わせる価値はあると思います。
ブロードウェイミュージカル「ジャージー・ボーイズ」
ヒカリエに勤務していると、シアターオーブからぞろぞろと出てくるお客さんでオフィスロビー階のエレベーターが激混みになるので「ちょっと迷惑な劇場だな…」と思ってましたが、いざ観客になってみると凄まじい余韻でぼけーっとして、ヒカリエを出るまでの記憶も曖昧。なんかふらふら歩いてたと思う。
これからはシアターオーブから出てくるお客さんたちを温かい目で見守ろうと思う。彼らの頭の中は違う世界に旅しているわけで。
初めて入ったけど、いい劇場。新しい施設だからA席でも十分に良かった。
なんでこんなにおすすめなのかというと、去年行って大満足だった「フエルサブルータ」というめちゃくちゃヤバいサーカス。これに関わった萩原慶太郎さんという方がジャージー・ボーイズの公演にもいろいろ携わっているからです。
とにかく、「フエルサ ブルータ」には行ったほうがいい : Blog @narumi
まあフエルサブルータもとても言葉では表せないくらいクオリティ高かったので、萩原さんが関わるエンタメ作品は間違いなしだと勝手に思っています。おすすめしていただいたものはたいてい迷わず観に行くことにしているエンタメ先生ですね。
というわけでスケジュールとチケット情報はこちら。
スケジュール・チケット|ブロードウェイミュージカル「ジャージー・ボーイズ」
http://www.jb2015.jp/schedule.html
もちろんスタンディングオベーションが起こりました。しかし海外版はまたスケールが違うな…。
--次回予告
「ユジャス トゥグットゥビトゥ〜♪ キャンテイマイ アイズ オフユ〜♪」
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