株式会社paperboy&co. の創業者として知られる起業家・家入一真氏が都知事選への出馬を表明。1月22日に記者会見を行いました。なかなか良いことを言っていたので全文を書き起してみました。

関連:1月29日の政見放送の書き起しはこちら。

家入一真 @hbkr の政見放送を書き起してみた : Blog @narumi


会見前の様子。

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そして堀江さんと入場。

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着席し、報道陣の写真を撮る家入氏。

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さて、始まりました。


  ◆◆◆

家入一真と申します。よろしくお願いします。自己紹介……僕自身は会社を21の時に起業して、上場した時に辞めて、その後いろいろな会社を作りながら、別の活動でいろいろな子たちの“居場所”を作ってきた。いじめられて学校に行けなくなった子たち、就活をやめてどうしよう?っていう子たち。そういう子たちが一緒に生きていく、自分が本当にやるべきことを見つけられる場所を作ったり、シェアハウスを日本中に作ったりしています。

そこから生まれたサービスで「BASE」というものが急成長して、店舗数は楽天を抜く勢いです。なんもない、なにもできない子たちだったけど、そこで生まれたサービスが急成長して、このまえサイバーエージェントから2億円を調達した。そういうことをやっています。


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--なぜ都知事選に?
 
きっかけは先月、ツイッターで「1000RTされたら出馬する」って書いたら、1000RTいってしまって後にひけなくなった(笑) でも僕自身興味があって、いつか政治にも行くだろうなと思っていた。本格的に決めたのは今年に入ってから。事前審査の1日前に、「やっぱり出よう」と決めた。


さっき言った「居場所を作る」という話ですが、僕は中二のときにいじめにあって、そこからひきこもりになった。18まで家の中で過ごして、ネットをやっていた。いまで言う「ひきこもりのうつ状態」。いまの世の中にも当時の僕みたいにふさぎこんでしまって、家から出られない、出れるけど行き場所のない子たちがいる。自殺とかしちゃっている。





なんでこんなに日本で自殺が多いのか。そういった質問に誰も答えられない。僕は居場所を作るということのなかで、なんでそういう学校に行かなくなった子の居場所がないのかと思っていた。なぜ大々的に「フリースクールに行っている」と言えない状況だったりするのか。就活したくないけど、せざるを得ない空気があって自殺しちゃうのはなぜか。

僕は行政に頼らずに居場所を作ることで、助けあう共同体を作ろうということをしていた。それをもっとネットを使ってやれることがあるんじゃないかと。国とか行政じゃなくて俺らでやっていこうぜと作ってきた。ただシェアハウスについては、法律が厳しくなっていったり、そういうなかで共同体で居場所を自主的に作っていくとしても、今後は政治に無関心でいられないと思った。

なんでもっと居場所がないのか、自殺が多いのか、就活するのか、答えられる大人がいない。政治家のいうことは正解なのか。一人ひとりがそういう質問を持って動き始めることに、これからの東京も含めて日本の未来もあるんじゃないか。

選挙や政治が政治家のものになっている。本当はもっと身近なものだったはず。僕ら若い世代からするとすごく遠くに見えてしまう。言ってることも刺さらないし、よくわからないし、興味が持てない。だからもっと政治、選挙をみんなの小さな質問を集めて、身近なものにしていきたいと思っている。


--政策は?
 
政策も正直ざっくりとしかなくて。正直良くわからない部分があるので、ざっくりと作りました。3つあるんですけど1つは「居場所がある街、東京」を作っていきたい。これは必要。あとは仕事とか遊び。僕はごっちゃですけど、「とことん楽しめる遊べる街、東京」にしたい。そして「政治に参加したくなる東京」を作っていきたいと思います。

さっき言ったように、政治や選挙を遠いところのものにしてはいけないと思う。僕らが動いて考えていかないといけない。20代、30代は興味がないというか、わからないんだと思う。質問を持っていこう。


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選挙では面白い手法を取り入れる。僕はお金がないので、街頭演説もできない。だから、ずっと家にいて生放送し続けようと思う。それなら違法なお金も貰わないで済む。そしてみんなで公約を作っていきたい。ハッシュタグを作って、いろんな意見をもらって、ウェブ上でそれぞれのトピックスの中で集まったものを専門家に問い合わせたりとか、ブラッシュアップしていく。それでみんなで政策が作れれば超すごくないですか?

ネットを使って、“民主主義2.0”みたいなのを、ツイッターとかで意見を集めていけば、偉そうにここから3つの政策とか言っているよりもいいものができると思う。なんで「原発ってダメなの?」って言う質問もある。いいっていう人もダメっていう人もいる。ダンスを規制する法律も、なぜ?って。答えられる人はいない。そういうのをみんなで集めて政策を作りたい。

選挙とか政治とか既存のシステムを、ハッキングする形で、真っ向から戦うのではなく、無関心でいるわけでもなく、撹乱することで新しい動きを作っていきたい。「戦わない優しい革命」を起こしたい。

最後に、僕は知名度もお金もないですが、少数ですが優秀な仲間、ネットの向こう側にいろいろな思いを抱えている若い子がいっぱいいるので、そういう子たちが応援してくれれば“クラウド選挙対策本部”ができるんじゃないかと思います。選挙期間、ネットを使い切ります。使い切って、こんな選挙ありなの?ってことをやりたいと思います。
 

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 応援する堀江さんと一緒に会見に臨んだ。



--堀江貴文氏の応援コメント

僕から応援のコメントを少しだけ。今回、都知事選を見てて、正直おじいさんばかりなんで、どうなの?という話があって。僕もいろいろな人から出ないの?って言われたんです。けど1年9カ月、社会にいなかったのでもうちょっと自由を満喫したい。東国原さんも同じことを言っていた。僕じゃない、もっと若くて、会社経営とかのセンスがあって、そして弱いものの気持ちもわかるし、実行力もなさそうに見えてある。彼みたいな人の方がいいとおもう。


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昔、いじめられて、ひきこもりでと…。僕は実は同郷で、福岡出身なんですけど、そういう弱さを知っている、弱い人の気持ちをわかっている人がトップに立つと、周りに優秀な人が集まってきて、良い政治ができるんじゃないかなと。 

そういう人って何人かいるんですけど、出てくれない。そしたら(家入氏が)出たそうな顔をしていたんで、これは煽るしかないなと。煽りまくって、やっと出てくれました。金がねえって言うんで金も貸しました。でも金を貸してくれるような仲間が彼の周りにはいますし、そうやって実はけっこう優秀なスタッフが集まっているんですよ。

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だから泡沫候補だっていう人もいますが、若い人にとっては有力な選択肢なんじゃないかなと思います。僕も正直、今回の知事選で投票したい人っていなかったんですよね。だからなんだかなーってみんな思っていると思うんですよ、若い人は特に。

あと世界中を見ても、知事とか首相とかって40代が多くて、そういう若さも必要なのかなと思っています。彼はこう見えて会社をいっぱしに育てて上場させただけの実力があるので、実はそういう人が都の経営、運営をやったことってこれまでないと思うんですよね。そういう意味でも僕は画期的だなと思う。


こんな僕でも社長になれた: -
家入一真
ワニブックス
2012-01-01

 

世界に冠たる経済都市である東京がもっと発展すると思いますんで、そのへんは彼に期待したいなと思いますんで、今回、応援団としてこれからも応援していきたいなと思いますので、家入一真をぜひよろしくお願いします。

 

◆質疑応答

--ニコニコ動画ナナオ氏:ニコニコ動画のナナオと申します。家入さんに聞きたい。居場所を作ること、選挙期間中に公約を作るのは新しいことだと思う。現時点でのご自身の原発問題とオリンピックについての考えをお聞かせください。

--家入氏:原発については、もちろん脱原発でして、やっぱりどちらかというと脱「原発依存」ていうんですかね。大きなものに頼ってきたじゃないですか。それはたぶん国ってものに頼ってきた僕らもいるし、原発というものに頼ってきた僕らもいるし。それは大きなものに依存するっていう時代じゃないと思うんですよね。


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だから原発をなくしていくときに、代替案を考えないといけないんですけど、太陽光だとどうのこうのとかいろいろな意見があったりして、結局そこまでいくと僕にはわからないんですよ、細かいことが。だからそれについてもいろいろな人から意見を聞きたい。いろいろな見地からいろいろな意見を吸い上げていって、こうしましょうというのをまとめればいいかなと思うんですよ。

--ニコニコ動画ナナオ氏:オリンピックについては?

--家入氏:オリンピックについてはすごくいいと思っていて、ただ僕はそのタイミングで裏オリンピックみたいなのを超やりたい。僕って元々ひきこもりだったじゃないですか。それでスポーツもずっと体育が「1」だったんです。やっぱりスポーツができる人の象徴としてのオリンピックがあるのなら、いまだに世界でもそうだと思うんですけど、スポーツできる人がヒーローになるんですよ。

でも僕らみたいなひきこもりとかスポーツできないやつってヒーローになれなくて、やっぱりそいつらを…。あ、でもそれってニコニコ超会議とかに近いのかもしれないですけど、同じタイミングで裏オリンピック、“裏リンピック”みたいなのをやりたいですね。だめですかね?

--ニコニコ動画ナナオ氏:いや、いいと思います。ぜひネットを使ってよろしくお願いします。あと堀江さん、今回応援団長という話を…。

--堀江氏:団長じゃないですよ(笑)

--ニコニコ動画ナナオ氏:いわゆる選対本部長のような肩書、役割的に明快になるんですか?

--堀江氏:僕は内部のスタッフではなくて外部の応援なので、選挙スタッフではないですよ。今回ちょっと会見に不安だからついてきてくれと言われて。こういう雰囲気を僕のほうがよくわかっているんで。サポートみたいな感じで。

あとはやっぱり僕は彼を応援したいと思っているから、ネットもマスメディアも含めて僕がいることで、家入くんという存在が拡散されるというか、僕というアンプを通して、彼の言っているまともなことを増幅してお伝えする。「家入一真ってだれ?」っていう人もいると思うんですよ。ネットはやっていたり本も出している。

--ニコニコ動画ナナオ氏:NHKの番組に出ていましたね。

--堀江氏:そういうの知っている人はいいんですけど、やっぱり年配の方とか知らないじゃないですか。だけど僕が応援しているっていえば、「ああ、そういう感じなのね」ってなんとなく伝わると思いますので、僕は増幅器みたいなものですね。 

--ニコニコ動画ナナオ氏:最後に1問、泡沫候補っていう話題も出ましたけど、10万票っていうのが1つのポイントらしいんですね。それでやはり今後きちっと発展していくために数はどうしても必要。具体的な目標はありますか?

--家入氏:そこでいうと300万円戻ってきてほしいですね。50万〜60万票いけば300万円が返ってくるんですよ、供託金が。供託金が返ってきたら、堀江さんにも返せるので。やっぱりみんなで政策を作っていくのもある程度の票数ないと説得力ないんですよ。だからある程度の票数は目指したいなと思います。

--堀江氏:あのね当選してください、出るんだから。

--家入氏:はい、当選します。訂正で。当選します。

--フリーランスのハタケヤマ氏:さきほどネットを使った選挙活動をして、ネットユーザーに訴えていくということだったんですけど、選挙に実際に行く方はネットをやられない方もかなりいらっしゃいます。そういう方々へは何か考えていますか?

--家入氏:ネットをやらない方たちにということですか?もうネットに引き込めばいいんじゃないですかね?だめですかね。ネットやらないとこれからはだめだと思うんですよね。だからそういう人たちもネットに来ればいいんじゃないですかね。「インターネット楽しいよ」って言う。それじゃだめですかね。

--フリーランスのハタケヤマ氏:それをネットをやらない人にどうやって伝えていきますか?

--家入氏:それでもやらない人は、そうですねぇ。うーん、選挙ポスターとか街頭演説とかそういうことなんですかね。街頭演説とかやりたくないんですよね。選挙ポスターは108枚、煩悩の数だけ印刷して、みんなでどこに貼られたか探しに行こう、とかやろうとしているんですけどだめですかね。

--堀江氏:いや、面白いんじゃない。選挙ポスターって貼るの大変なんだよ、金もかかるし。

--家入氏:あと東京都の地図を出して、地区ごとにわけて、俺ここ貼りますとか言ってくれた人たちに任せて、信長の野望みたいに色が変わっていくのとかどうですか。ここ変わった、ここ変わったとか。

--堀江氏:あのポスター貼るのも登録がいるんだよ、たしか。大変なんですよ、いろいろレギュレーションが厳しくて。

--家入氏:あ、じゃあやめます。


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--フリーランスのハタケヤマ氏:供託金、お借りになったということですけど、担保と利率は決めてあるんですか?

--堀江氏:担保はないですよ。

--家入氏:ただ契約書はちゃんと交わして、はい。

--堀江氏:ちゃんとしてますよ。契約を結んで。