最近、全然本読んでない。何か読まなきゃ。何か……とブックオフに駆け込み、とりあえず100円だからと手にとったのがこれだった。

センセイの鞄 (文春文庫)
川上 弘美
文藝春秋
2004-09-03



最初に読んだのは学生のころだから、たぶん10年以上前。やたらときれいな日本語で書かれた、なんと静かなラブストーリーなのだと当時は思った。けれど、主人公である月子さんとはどんな人なんだろうか、面影を想像することもできなかった。70歳近くのおじいちゃんセンセイと、その教え子であるアラフォー女性の日常などまったくもってよくわからない。

それでもやっぱりベストセラーなわけで面白い。そして川上弘美の言葉遣いのリズムは不思議な魅力があった。なんだろう。例えば、人が話している言葉なのに、カギ括弧を使う場合と、使わない場合がある。使わないときはどことなく親密な空気を感じた。

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いまならセンセイがだいぶかっこいい人物であると理解できるし、月子さんがどんだけ可愛らしい女性かもわかるようになった。小島孝はとても切ないけれど、よくがんばったと思う。

昔読んだ本を十数年ぶりに読み返してみると、なかなか面白い。想像できる範囲が広がるから、たいていの本は前回よりも情景が浮かぶ。ブックオフの100円棚もたまにはいいですね。


川上弘美の作品は、「ニシノユキヒコの恋と冒険」なんかも好きだった。悔しいことに100円のとこには見当たらなかった。




でもまあ面白い小説を読んでも、最近本読んでない!っていう焦燥感からは逃れられない。そしてなんだろう、この、まるで「ドラゴンボール」を読んだ感想を書くみたいなどうでもいい感じは。まずは最近いただいた本をちゃんと読むことにしよう。