試合に敗れた高校球児がうずくまって甲子園の土をかきあつめ、袋に詰める。そんなシーンを見ると毎回、小学校の教科書に載っていた話を思い出す。

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うろ覚えだけど、主人公は少年。彼の父親は甲子園に出場したことがあって、小瓶に詰めた甲子園の土を書斎に飾っていた。父は何かにつけてその土を自慢し、あるいはお守りのように少年に土をぱっぱとふりかけることもあった。少年はそんな甲子園の土が鬱陶しくて嫌で、ある日、ついに土を庭に捨ててしまうーー。

そんな話だった。さて父親はどんな反応を見せたか。怒ったのか、それとも……。これ、すごく短いストーリーなのに心にずーんと響く作品だった。教科書に載ってる小説はそういうものが多い。

いま思えば、あの父親はまさに“神対応”だった。「甲子園 土 教科書」と調べてみると、なんと阿久悠の著作らしい。しかも自伝だそうだ。阿久悠といえば野球、そして甲子園である。父の“甲子園の土”に対しては嫌悪感を抱きつつも、その後はしっかり野球好きになっていたようだ。いい話。

タイトルは「ガラスの小びん」。阿久悠が教科書のために書き下ろした作品のようで、通常のエッセイ集などには収められていない。どうやら「光村ライブラリー」なる本に教科書収録作品としてまとめられているようなので購入した。表紙は100%ORANGEが担当しており、けっこうおしゃれ。

光村ライブラリー (15)
樺島 忠夫
光村図書出版
2002-03



教科書って意外といい作品が載っている。変な本買うなら光村ライブラリー買った方がよっぽどいいかもしれない。そしてこの光村ライブラリー(15)にはあの珠玉のラブストーリー「赤い実はじけた」も載ってる!!

覚えている人いるかな。「ちいちゃんのかげおくり」も好きだったなぁ。切ないけど。


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「すずらん」