野々村議員のブログの謝罪文に目を通したけれど、かなり読みづらかった。あれを理解するのはとてもむずかしい。

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1回読んだだけではなかなか意味がとれず、上から下まで何度も行ったり来たりしてようやく、「ああ、何かに謝っているんだな」程度のことがわかっただけだった。


以下の文章だ。


この度は、私の政務調査費・政務活動費収支報告について、議会の再調査でも、説明できない・不適切な支出がありましたことが明らかになり、ご近所、県民の皆様、地方議会の議員の先生方、議会の先生方や事務局職員、当局の皆様、知人や家族・親戚の皆様はじめ、関係者の皆様方にお詫びし、私の不祥事を全国は勿論世界に拡散し、全ての混乱の全責任を取り、議長の辞職勧告を厳粛に受け止め、議員辞職しました。
 さらに、議会の再調査で、説明できない・不適切な支出と認定されました過去の全支出、全ての政務調査費・政務活動費支出の全額に利子を加算しました総額を一括返納します。
 刑事告発されましたことに、真摯に深刻に受け止め、非常に反省しています。
 最後のお願いとして、最初に、一刻も早く議会として正常化させていただくため、全ての原因と責任は私で、議員の先生方のご自宅や事務所、議会事務局をはじめ、議会関係機関へのお電話やFAX、メール等について、既に議会事務局職員は限界を越えてお電話等にご対応させて頂いておりますので、特に議会事務局へのお電話はご容赦願いませんでしょうか、さらに、ご近所の皆様を喧騒から、知人や家族・親戚の皆様を不安から解消し、ありふれた日常生活に戻していただくため、ご近所、知人や家族・親戚の皆様を含め、自宅や周辺での取材を自粛願いませんでしょうか、最後に、週刊誌等で本件と直接関係のない家族等についての虚偽や誤解を招く内容等一切の報道を厳粛願いませんでしょうか!
 また、6月30日放送サンテレビニュースポートの神戸新聞社林解説委員の逃げるな発言について、同日自宅周辺で取材した女性記者に明日にして欲しいと要望したところ、何故今は駄目なんですか、と大きな声で叫ばれ、私は驚き気がつけば走っていた事実が全て編集されていたので、記者会見で出席記者と名刺交換した理由の一つが、取材した同じ記者が記者会見に出席すると見込み、個人を特定するためで、サンテレビが議会とサイバーエージェントに事実誤認として、記者の実名を削除する要望の連絡があり削除しましたが、サンテレビが社員である記者を守るのが目的と推測されるが、事実誤認ではなく、事実です。
 お世話になっておりますURの不正事務所使用とのご指摘ですが、サラリーマンが仕事を自宅に持ち帰るように、議員の仕事を自宅でしていたので、政務調査費・政務活動費支出で案分すれば事務所費として認めてられていて報告したものに過ぎず、現状では自宅に固定電話は設置しておらず、自宅は実態も事務所ではなく、住居として使用させて頂いております。
 西宮維新の会の名称について、確かに虎の威を借りたのは事実ですが、私のツイッターのタイムラインをご覧になれば分かるように、平成23年4月時点で西宮市に殆ど浸透せず、平成20年11月から4回立候補しました知名度等で、平成23年4月第6位との差約200票次点との差約200票で、自民党現職2名と民主党新人1名を押さえて当選させて頂いたと考えた方が自然です。これは県議補選の得票数からも明らかです。
 最後に、子どものように号泣しましたのに加えて、政務活動費が議員活動全体に比較すれば小さいことと発言したことを含め、政務活動費収支報告も議員活動全体も同様に重要だと改めて表明すると共に、本当に誠に心からお詫び申し上げます。


辞職に伴うお詫び等|野々村竜太郎オフィシャルブログ


なぜこんなに読みづらいのか、しばらく考えてみたところ、いくつかの原因があるように思えてきた。たとえば1文が長すぎる、適切な位置に句読点がない、主語が頻繁に入れ替わる、主語と述語にねじれがある、改行・段落の変更が少ない、などだ。

このあたりを改善すれば誰でも読める文章になるのではないかと思う。ではやってみよう。


 この度、私の政務調査費・政務活動費収支報告について、不適切な支出があったことが議会の再調査で明らかになりました。私は今回の一連の不祥事と、それによって起きた全ての混乱の責任を取るため、議長の辞職勧告を厳粛に受け止め議員辞職いたしました。

 ご近所、県民の皆様、地方議会の議員の先生方や事務局職員、当局の皆様、知人や家族・親戚の皆様はじめ、関係者の皆様方にお詫び申し上げます。つきましては議会の再調査で不適切な支出と認定されました過去の全支出、政務調査費・政務活動費支出の全額に利子を加算しました総額を一括返納いたします。

 また本件において刑事告発されましたことにつきましても、真摯に、深刻に受け止め、非常に反省しております。

 私の願いは一刻も早い議会の正常化です。本件における全ての原因と責任は私にあり、他の方々にはございません。そのため、議員の先生方のご自宅や事務所、議会事務局をはじめ、議会関係機関へのお電話やFAX、メール等につきましてはご容赦いただけないでしょうか。すでに議会事務局職員のもとには対応の限界を越えるほどのお電話をいただいております。

 さらに、ご近所の皆様も不安を感じております。元の生活に戻していただくため、自宅や周辺での取材は自粛いただきたく存じます。週刊誌等では本件と直接関係のない家族についての誤解を招く報道、あるいは虚偽の報道もございます。そういった報道につきましては抗議するとともに、自粛いただきたくお願い申し上げます。

 6月30日に放送されましたサンテレビ「ニュースポート」で、神戸新聞社の林解説委員が「逃げるな」と発言したことにつきまして、経緯をご説明いたします。同日自宅周辺である女性記者から取材の依頼を受けた際に、私は「明日にして欲しい」と要望いたしました。そうしたところ、女性記者は「なぜ今は駄目なんですか?」と大きな声で叫ばれました。私はその声に驚き、気がつけば走っておりました。しかし放送では、この一連の事実が全て編集でカットされておりました。私が記者会見で記者の皆さま全員と名刺交換を求めたのも、その女性記者を特定する目的でした。

 私はこのブログにその記者の実名を掲載いたしました。しかしサンテレビ側は「事実誤認」であるとして、記者の名前をブログから削除するように、私のブログを運営するサイバーエージェント社に対して要請しました。私は要請に従って記者の名前を削除いたしましたが、そこに書かれていたことは事実誤認ではなく、紛れもない事実でした。サンテレビ側としましては、自社の社員である記者を守りたかったのだと推測されます。

 また現在私が入居しております「UR住宅」につきまして、不正事務所使用ではないか?とのご指摘がありましたが、こちらもご説明いたします。一般的なサラリーマンが仕事を自宅に持ち帰るように、私も議員の仕事を自宅でしておりましたので、政務調査費・政務活動費支出で案分した事務所費として認められていたと考えております。ただし現状では自宅に固定電話は設置しておらず、事務所としての実態もありません。住居として使用しております。

 「西宮維新の会」という名称につきましては、確かに虎の威を借りたのは事実です。しかし私のTwitterをご覧になればわかるように、平成23年4月時点では西宮市にほとんど浸透していませんでした。私は平成23年4月の選挙で自民党現職2名と民主党新人1名を押さえて当選いたしましたが、これは私が平成20年11月から4回立候補して培ってきた知名度によるものと考えております。それは県議補選の得票数からも明らかです。

 最後に、記者会見で子どものように号泣したことに加えて、「政務活動費は議員活動全体に比較すれば小さいこと」などと発言したことをお詫び申し上げます。政務活動費収支報告も議員活動と同様に重要だと改めて表明いたします。この度は申し訳ございません。心からお詫び申し上げます。
 


1文を短くし、句読点を多めに入れ、主語と述語の関係をシンプルにしてみた。少しはわかりやすくなったかもしれない。しかしこれでもまだ「読みやすい文章」とはとても言えない。特にサンテレビと西宮維新の会に関する記述は登場人物が多く、経緯がよく見えなかった。あの部分はいらなかったんじゃないかな、と思った。


文章力の基本
阿部 紘久
日本実業出版社
2009-07-24


 

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