誰でも思うときがあるはず。
 

「自分は何もできない、誰の役にも立てない。からっぽな存在だ」なんて。


そんなときは“うさぎのモフィ”がいい。



見た目は子ども向けの絵本だけど、中身は超アダルト向けだ。主人公のうさぎ・モフィは自分に自信が持てない。歌がうまい友だち・カエルのケリーを尊敬しながらも、ついついドス黒い感情を抱いてしまう。
 

ケリーに比べたら自分はクズだ。なんの価値もない、と。


こんなことを考えるうさぎは普通いない。この時点で、おや? ただの絵本じゃないぞ…と気づく。およそ表紙に写るかわいいうさぎが考えるようなことではないし、かなり暗い。

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ケリーへの劣等感を抱えたまま、リスやモグラと出会うモフィ。彼らとコミュニケーションを取る中でふと、あることに気づく。

果たして、タイトルでもある「わすれんぼうの森」はモフィに救いをもたらすのか。


「きっとみつかるよ、アナタにしかできないこと」


と帯にはある。

そうなったらいいなと思いながら読み進めるけど…やっぱりこの絵本は子ども向けじゃなかった。自分も、あるいはもしかするとほとんどの人が、モフィのような黒いもやもやを抱えて生きている。少しどきどきしながら読んだ。
 

◆◆◆

子どもにはまったくおすすめできないが、たまに迷う大人たちにはぴったりの絵本。なんと1巻は売り切れ。30歳前後の女性に大人気らしい。

うさぎのモフィ
コンドウ アキ
主婦と生活社
2008-05



うさぎのモフィ〈2〉わすれんぼうの森
コンドウ アキ
主婦と生活社
2008-12