こちらのブログを読んで、なるほどーと思った。


nabokov7; rehash : 「競合を見るな、顧客を見ろ」というおしえ。(あるいは「ジャパゾン」の志の低さについて)


今までいくつかの会社でCEOや社長の話を聞く機会があったけど、ジェフベゾス氏がひとつ飛び抜けていると思う点は、身内に話すときでも、競争相手の名前を挙げて「うちはこの点が優れてる」みたいな比較をしたり、競争相手を茶化すジョークを飛ばしたりということを一切しなかったこと。

たった一年在籍しただけでも、彼が「競合を見るな。顧客の方を見ろ」と言うのを何度も聞いた。

Amazonが超便利なのは、創業者のベゾスさんが徹底的な顧客目線を持っているからなんですね。競合他社とかパートナーとか赤字だとか、そういう自分たちの都合じゃなくて、Amazonで買い物してくれる人にフォーカスしているんだと。

そういうことを話しているインタビュー動画がYouTubeにあるから見たほうがいいよって冒頭のブログの人が言っていたので、見てみた。



ベゾスかっこいいですね。なんというか目に力がある。以下に適当に訳してみた。このインタビューを元に記事を書くとしたら、どんなタイトルにするか迷うと思う。それくらいキーフレーズで溢れてる。


インタビュアー:Amazonの目的は、世界一大きい小売業者になることだと思う。それ以外にも何かある?

ベゾス:我々のゴールは「世界一の顧客志向の会社」になることだ。

インタビュアー:それってどういうことなの?

ベゾス:例えばSONY。第二次世界大戦後にSONYを創設した盛田さんは、会社の目標を、日本製品を『品質の良さ』で世界的に有名にすることだった。忘れないでほしいのは、この時期の日本製品は“壊れやすい偽物”として有名だったこと。だから盛田さんはSONY製品の品質の良さを有名にするのではなく、日本製品の品質の良さを有名にしたいと考えた。

彼はSONYそのものよりも大きな目標を建てた。私たちの言う「世界一の顧客志向の会社」というのは、盛田さんの目標と似ている。他の会社のように競合会社に夢中になるのではなく、顧客を見ていくべきだ。だから私たちは取り扱う商品の種類を増やしたり、商品管理を重視したりしてきた。

何かを作り出すのであれば、いろいろな所からの批判を我慢しなくてはならない。Kindleは良い例えだ。すでに500年前からある産業の再発明に一生懸命取り組んでいるだけだから、それに対して反対する人も出てくる(笑)
 
インタビュアー:ウォルマートが本気でオンライン販売を始めた時に、多くの人、特に株主はAmazonが潰れると考えた。でもそんなことは起きなかった。なぜか?

ベゾス:顧客への対応を丁寧にやったからだろう。私たちがAmazonを立ち上げて最初の3年間、Amazon.con(詐欺師)やらAmazon.bomb(爆発)やらとよく揶揄された。

例えば、私はKindleがiPadに脅かされることはないと言っているが、なぜかそういった批判記事がひっきりなしに出る。なぜiPadが我々にとって脅威にならないのか、私ははっきりと伝えている。Kindleは139ドルの商品で、日光が反射しても画面が見やすい。そして軽いため片方の手で持てるし、バッテリーは1ヶ月間もつ。こういった商品が139ドルで買える。買おうとしない人はいないだろう。

インタビュアー:ウォルマートの話に戻りますが、あなたは世界一の小売業者からの挑戦を受けて、なぜ乗り越えられたんですか?

ベゾス:我々が「依存」と思われるほどに、顧客のことを考えているからだ。

インタビュアー:ウォルマートだって顧客のことをよく考えてるじゃん。

ベゾス:いや、やり方が全然違う。私たちのやり方には重要なところが3つある。「選択」「低価格」「素早い配達」だ。

インタビュアー:ちょ、ちょっと待って。ウォルマートの商品だって安いし、早く届くし、便利じゃない?

ベゾス:Amazonの方がより多くの商品を売っているし、そしてオンラインのみで売っているために、多くの場合、実店舗よりも安く購入できるようになっている。

顧客にとっては私たちの利益などどうでもいい。だから私たちは利益を得るために物の値段を決めるのではなく、他社より安くするために物の値段を決めている。もし、それで赤字になっても問題ない。顧客との信頼関係は育つから。利益のことはそのうち解決方法が見つかる。もしどうしても利益にならない場合は、その商品の販売をやめればいいだけだ。

インタビュアー:でもKindleは赤字でしょ?

ベゾス:新しいプロダクトはだいたい時間がかかる。ほとんどの場合、最初の5〜7年の間は影響がないか、悪い影響があるかどっちかだ。だから私たちはさまざまな新規事業を展開している。会社が金銭的に順調である今は、積極的に進めている。すべてが顧客のことを考えてきた結果だ。

Amazon.con(詐欺師)とか言われていた頃は、従業員が150人くらいしかいなかった。一方でバーンズ&ノーブルは3万人くらいいた。どこかの記事で、「Amazonは2年ほど頑張ってきたけどバーンズ&ノーブルの進出によって潰れるだろう」という論評が出た。

そこで全社ミーティングを開くことにした。150人、みんなでね。従業員の全員がその記事を読んでいたし、従業員の親も読んでいた。その親からも電話がかかってきて、「大丈夫なのか?」とよく聞かれていた。だから全員参加の会議を開いて、「他社のことを恐れるな。お金を出して商品を買ってくれるのは競合他社ではない。顧客だ。顧客のことに集中しよう」と言った。

ウォルマートといったライバル企業の成功が我々の成功を妨げるわけではない。小売業界はもの凄く大きいし、成長している。だから、競合と戦うことに意味はない。商売をスポーツに例える人がよくいる。必ず勝つ人と負ける人がいると。だがほとんどの場合、勝敗は無関係だ。私の考え方としては、我々が成功するにあたって他社が失敗する必要もないと考えている。電子書籍にしてもそうだ。市場自体が成長し、複数の勝者が現れるだろう。

インタビュアー:現在、Amazonにはバーンズ&ノーブルやSONY、Appleなど多くのライバル社がいる。

ベゾス:50社以上の競合を知っている。競合の動きに注目はしているが、夢中になったりはしない我々は消費者に対して夢中になる、商品を購入してくれるからだ。



競合見てないで、お客さんを見ようぜってしきりに言っていますね。ベゾスが言うと不思議と説得力があります。そういえばちょうど日経BPからベゾス本が出ています。タイトルにかなり惹かれますね。





あと、ベゾスさんの話ってナタリーの唐木元さんが言っていた「ファン目線↔業界目線」にも通じるかもなって思った。


東京編集キュレーターズ : ナタリーがニッチ分野で成長し続ける理由、唐木元さんに全部聞きました。



唐木:じゃあファン目線って何だろうっていうのを考えていきたいのですが、ひとつの補助線として、ファン目線の反対、対義語って何なんだか考えてみましょうか。

僕がファン目線の反対って何だろうと聞かれたら、業界目線って答えています。
ファンの論理、ファンの欲望に対して、業界の論理、業界の欲望っていうのが対義語だと思ってるんですよ。 
 


唐木:たとえばこういう仕事をしていれば、おのずとレコード会社や出版社やお笑い事務所の人たちと、たくさんの付き合いが山積みになってきて、そうすると貸し借りも生まれるし、恩義も湧くから、それが日々の仕事の中に入ってきちゃうんですよ。

でもそこに引っ張られすぎないでファンの論理に寄り添うようにする。それがファン目線ってことかなって思ってます。
 


テーマも内容も全然違うんですけど、自分のところの利用者のためになることを最優先しようっていうのは同じかもですね。あじゃじゃす。


ジェフ・ベゾス 果てなき野望-アマゾンを創った無敵の奇才経営者
ブラッド・ストーン
日経BP社
2014-01-09

Kindle版もありました。 



--次回予告
「DOUBLE SURVIVOR」