ドワンゴが作ったジブリのドキュメンタリー的映画。試写会に行ってきました。
映画『夢と狂気の王国』公式サイト (c)2013 dwango
観終わってみると、ドキュメンタリーだけど、NHKで放送されるやつとは全然違う。音楽も映像も、違う。
上映時間の半分以上が白髪交じりの老人の独り言で埋まってる。
年寄りの言葉をこんなに真剣に聞いたのは久しぶりかも、と思った。ありがちだけど無性に祖父母に会いに行きたくなった。
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ジブリのスタジオの窓から、初夏の風に新緑がざわざわーって揺れてたり、外で雪が降っている中、来夏に公開する映画のデッドラインで頭を抱えてたり。
こういう景色の中であんな作品が出来上がるのか、と引き込まれた。
NHKなんかのドキュメンタリーでも仕事場の様子は放送されたけれど、この映画はきっとそれだけじゃなくて、スタジオ内や人の内面だけに没入せずに、みんなのふつうの日常の中にジブリも宮崎駿も生きているということを描こうとしている気がした。
春になったら、スタジオの屋上の庭園には花が咲いて、虫たちが集まってくるし、宮崎駿はスタジオ併設の保育園の前を通るとき、子どもたちに手を振るのを忘れない。
ジブリのスタッフが忙しく働いているというのに、外から菅直人の選挙の演説がうるさく鳴り響く。この菅直人がけっこうしっかりと写り込んでいて笑った。これジブリ関係ないだろみたいな映像が多いんだけど、そういうのがあるから、ジブリの魅力とか怖さとかがより強く感じられたと思う。
宮崎駿が高畑勲をすごい楽しそうにディスってて、高畑勲はあまりしゃべらない。そしたら鈴木敏夫プロデューサーが「2人の関係はねぇ…」って話しはじめる。
ジブリ映画が日テレでしか放送されない理由も知った。ジブリのクリエイターが「自分を守りたい人は(宮崎駿と)やっていけません。潰れる」みたいなことを言ってた。あのドワンゴの川上会長も神妙な顔をしているように見えた。超ごたごたしてて、やばい空気。
最後のほう、ちょっと泣いてしまった。別に泣くようなシーンじゃないかもしれないけど、映画の中に散らばってる断片のせいで泣けた。
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なんか「ものづくりをする人たちの生き様」みたいなものをお勉強するドキュメンタリーかと思ってたけど違った。もっと不思議で、いい感じの映画だった(語彙が足りない)。もう1回観たいと思う。
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映画『夢と狂気の王国』公式サイト
--次回予告
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